TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(通称:じゃあつく)が、今期の“ネット指標”を総ナメにしているのをご存じでしょうか?
TVerお気に入り数1位、Filmarks評価スコア1位、Googleトレンド検索数1位と、いわゆる「ネット指標三冠」を達成したのです。
その中心にいるのが、竹内涼真さん演じる海老原勝男。
“勝男の破壊力”と言われるほど、視聴者をざわつかせつつも沼に落としていった理由とは?
この記事では、数字の裏側にある『じゃあつく』と勝男ブームの正体を、ネット指標やキャラの魅力から詳しくひも解いていきます。
『じゃあつく』はどんなドラマ?ネット指標“三冠”の内訳とは
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、TBS系火曜22時枠で2025年10月クールに放送されたロマンスコメディ。
恋人ファーストで自分をすり減らしてしまった山岸鮎美(夏帆)と、「料理は女が作って当たり前」と思い込んでいるハイスペ会社員・海老原勝男(竹内涼真)の“別れ”から始まる成長&再生の物語です。
視聴率(関東地区・世帯)は平均6.9%で、同クールでは2位という位置づけ。けれど、真価を発揮したのはネット上の指標でした。
女子SPA!による分析によると、
- TVer「お気に入り登録数」今期1位(174万)
- ドラマレビューサイト・Filmarksスコア4.2で今期1位
- Googleトレンド過去90日間の平均検索数1位
という形で、TVer・Filmarks・Googleトレンドの“三冠”を達成。
特にTVer登録数は、『silent』『VIVANT』級の歴代5位クラスという高さで、リアタイ層だけでなく“気になって後から追いかける人”を大量に取り込んだことが分かります。
勝男ブームの理由① “ハイスペ×ダメ彼氏”のギャップがエグい
勝男は、大手食品会社で働く営業マン。年収もスペックも高い、いわゆる“ハイスペ彼氏”ポジション。しかし、付き合ってみると
- 価値観は昭和な亭主関白気味
- 「女は料理して当たり前」発言
- 彼のために頑張りすぎる鮎美を、無自覚に追い詰めていく
という“地雷要素”も多く、序盤は「こういう男、現実にもいる…」と視聴者から悲鳴と共感が飛び交いました。
でも、このドラマがただの“ダメ男晒し”で終わらないのがポイント。
別れをきっかけに、勝男自身も家事を覚え、仕事で挫折し、価値観をアップデートしていく中で、
- 不器用に謝る
- 料理を一から学び直す
- 自分の弱さと向き合う
といった“成長のプロセス”が丁寧に描かれます。
「最低だけど、変わろうとしてる姿が刺さる」「こうやって変わってくれるなら、まだ信じたくなる」と、感情がジェットコースターのように揺さぶられるのがまさに“勝男の破壊力”。
勝男ブームの理由② 肌着キッチンと細かすぎる“勝男造形”
『じゃあつく』の話題で外せないのが、“勝男の肌着で料理”ビジュアル。
普通ならエプロン姿にしそうなところを、あえて白いTシャツ一枚でキッチンに立たせたのは、竹内涼真さん本人の提案だったそうです。
プロデューサーによると、
- エプロンだと「慣れてる家事男子」に見えすぎてしまう
- 肌着で料理することで、「不慣れだけど必死に頑張っている」ニュアンスが出る
という狙いがあり、実際に鮎美(夏帆さん)とのツーショット写真を試し撮りしたところ、“情けなさと愛おしさ”が絶妙に伝わる絵になったのだとか。
この“ちょっとダサいけど嫌いになれない男感”は、
- キレイすぎない部屋着
- 異様に高いテンションのプレゼン
- 仕事では有能だけど、恋愛ではポンコツ
といった細かな演出にも共通していて、「いるいるこういう男…でも憎めない…」と、多くの視聴者を沼に引きずり込む大きな要素に。
勝男ブームの理由③ ライト層まで巻き込んだ“ネット指標三冠”の構図
女子SPA!の分析では、『じゃあつく』がネットで強かった理由として、次の3つが挙げられています。
TVerでの“ながら見&イッキ見”相性が良い
1話完結型ではなく、2人の関係性を少しずつ積み重ねていくタイプのラブストーリーなので、TVerで“まとめ見”したくなる構成。
「リアタイはできないけど、週末にまとめて見る」「Xでバズった回だけ後追いする」といった視聴スタイルとも相性◎です。
Filmarks高評価=ドラマ好き層にも刺さるクオリティ
Filmarksスコア4.2という数字は、同クールの人気作を抑えての1位。
ラブストーリーでありながら、ジェンダー観や“恋人ファースト”の問題もきちんと描いていて、「よくできた脚本」「セリフが刺さる」という口コミが多く見られました。
Googleトレンド上位=“とりあえずググる層”まで届いた
「じゃあつく」という略称や、「勝男 やばい」「勝男 破壊力」といった検索ワードが伸びており、ドラマファン以外のライト層も巻き込んだ形。
「お気に入り登録するほどではなくても、気になって検索する人が多かった」という指摘もあり、SNSや口コミから“そっと覗きに来た人”が多かったことが分かります。
結果として、視聴率だけでは測れない“ネットでの強さ”が爆発し、リアタイ2位・ネット指標は三冠という独特なヒットの仕方になったと言えそうです。
ロケ地・考察・“勝男ロス” … 放送後も続く余韻
『じゃあつく』ブームは、本編終了後もロケ地や考察記事を通して続いています。
- 居酒屋ロケ地にはファンが殺到し、「予約は3〜4倍じゃきかない」という嬉しい悲鳴が上がっているという報道も。
- Xでは、印象的なセリフや料理シーンのスクショとともに、「この回だけでも見てほしい!」と布教ポストが多数投稿。
- 最終話放送後は「勝男ロス」というワードが飛び交い、「スペシャルドラマに期待」「結婚後編も見たい」という声も上がりました。
“勝男みたいな人は困るけど、画面の向こうにいてくれるなら最高”という、どこか中毒性のあるキャラクター像が、ドラマの枠を超えて長く語られている印象です。
まとめ
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』がネット指標三冠を達成した背景には、
- TVer・Filmarks・Googleトレンドで強さを発揮した“ネット映えする作り”
- ハイスペだけど致命的にポンコツな“勝男”というキャラの破壊力
- 見やすさと深さを両立した脚本&演出
が絶妙なバランスでかみ合っていたことが見えてきました。
視聴率だけでは拾いきれない“今のヒットのかたち”を体現した作品としても、『じゃあつく』と勝男ブームは、これからのドラマの在り方を考えるうえでひとつの象徴になりそうです。



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